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vol.004
リブインあおもり 2015年6月号 掲載コラム

商品戦略



「青い森の輝く企業」を応援する西谷会計事務所のページ、「起業しま専科」にようこそ!皆さんこんにちは、公認会計士/税理士の西谷俊広です。第四回は、「商品戦略」についてお話します。


誰もみたことのない画期的な商品は、お客さんがそもそもそのような商品を知らないので商品の説明をするのにとても苦労します。その反面、競争相手がいませんから大きな成功を収める可能性もあります。例えば、今でこそ電子レンジは一般家庭に広く流通し、料理の手順を根本的に変えた機器と評価されていますが、開発当初はどうやって売るかで大変苦労した商品でした。というのも、焼く、煮る、蒸す、炙る、炒めるといった加熱法は、電子レンジ以前にすでに確立されていたからです。電子レンジでなくてはならないと理由は何一つなかったのです



【ライフサイクル理論】



取り扱う商品を考えるうえで、知っておくと便利な理論があります。商品のライフサイクル理論です。昭和30年代にスタンフォード研究所にいたアーサー・ヤングという人が、商品の売れ行きを調査して発見した原則です。それによると、商品には導入期、成熟期、飽和期、衰退期のライフサイクルがあります。


導入期というのは、まだ商品自体が世の中に知られていない時期です。この時期は、どんな商品なのか説明するところからはじまりますから、それを売るのに大変苦労します。先ほどの電子レンジがこれにあたります。


成長期というのは市場が拡大し続けています。この時期の特徴は、まだ同業者が少なく、値引きする人も少なく、営業や広告に対する反応もよいのでお客が作りやすい時期です。そのため、あまり努力しなくても売上と利益を上げることができます。参入するのには望ましい時期です。


成熟期になると、同業者も増えて売上の伸びが鈍化します。そのため値引きなど価格競争に突入し、業界全体の利益率が低下してきます。この時期の特徴は、事業規模が大型化していくことです。規模を大きくしてマーケットシェアを確保してコストを削減するなどして、大きな会社が登場するようになります。その結果、小さな会社が圧迫を受けます。


飽和期になると成熟期の特徴が一段と強くなります。この時期になると倒産も増えてきます。商品そのものの魅力よりも、営業力の強さが必要となってくる時期です。


衰退期になると中国製品など安い商品に押されて、利益が出るのは極めて少数の企業だけになります。


自分が取り扱う商品やサービスは、どの段階にあるでしょうか。導入期であれば、商品の説明の仕方に工夫があれば成功する確率が高まります。成熟期や飽和期であれば、営業力が必要となってくるでしょう。


【衰退期の商品やサービス】



それでは、衰退期の商品やサービスを扱うことは、まったく見込みがないのでしょうか。ここでは、衰退産業であっても、切り口を変えることで成長産業に再生した、シルク・ド・ソレイユを紹介しましょう。


サーカス業界は、娯楽形態の多様化でサーカスに興味をもつ子供は減り、動物愛護団体からの反発で動物を使うことに対しては批判が高まり、売上はどんどん減少していく産業でした。有名な道化師やライオン使いを引き抜くためにお金を使い、動物ショーを見せ、グッズ販売を行うことで業者同士が競争していました。反面、サーカスの内容そのものには、何年もの間、大きな変化はありませんでした。
シルク・ド・ソレイユは新しいサーカス、大人を対象として芸術性やストーリー性を高めて、動物も有名なパフォーマーも使わずに、ライバルの動静とは全く無縁の新しいマーケットを創造しました。新しい技術や発明がなくても、演劇やバレエ、ミュージカルなどの要素を取り入れることで、斜陽産業であるサーカスに対する新しい需要を開拓したのです。同時に、動物や有名パフォーマー、グッズの要素はそぎ落とし、コスト削減も実現しました。


その結果、衰退産業であったサーカスに手を加えて、これまで誰も気づかなかった大きなマーケットを独占することになったのです。そのシルク・ド・ソレイユは今年4月に創業者が1800億円で投資ファンドに売却、今後は中国などアジア地域で本格展開を図ります。衰退産業からの復活劇は十分参考になりそうです。


次回は「地域戦略」についてのお話です。


公認会計士/税理士 西谷俊広でした。



















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